グレーシアは葉裏への害虫にも効果があります。
薬剤のかかりやすい葉表だけに害虫がいるとは限りません。グレーシア乳剤は葉内への浸達性が高い薬剤です。葉表にかかった薬剤は葉裏に、逆に葉裏にかかった薬剤は葉表に、速やかに浸達します。このため葉裏に薬剤が十分かからなかった場合でも葉表からの成分浸達により、葉裏の害虫もしっかり防除することができます。グレーシア乳剤のこの性質が、コナガなどチョウ目害虫やアザミウマ、コナジラミ、ハモグリバエ、ダニ類など幅広い害虫への安定した効果へとつながっています。
※なお、グレーシア乳剤には、散布後新たに発生した新葉に成分が移行する性質、いわゆる「浸透移行性」はありません。
キャベツ葉表 葉裏:コナガ
2017年 日産化学生物科学研究所
■試験方法:所定濃度に希釈した薬液をキャベツの葉表のみ、または葉裏のみに散布。1日後、葉裏または葉表にコナガ2齢幼虫を接種し食害度を試算。
コナガを対象害虫に、浸達性試験を行いました。上グラフ記載の濃度に希釈した薬液を、キャベツの葉表のみ又は葉裏のみに散布し、翌日、逆の面にコナガ2齢幼虫を接種し、食害度を計測したものです。薬剤散布したのと逆の面に虫をつけているので、食害されていなければ「薬剤が逆の面に浸達した」ことがわかります。
グレーシア乳剤を処理したキャベツでは実用濃度で葉表→葉裏、葉裏→葉表共に浸達性が確認できました。さらに浸達性の程度を見るため実用より低い濃度でも試験しましたが、実用濃度の1/10であっても浸達性は確認できています。
きゅうり葉表 葉裏:ミナミキイロアザミウマ
2017年 日産化学生物科学研究所
■試験方法:所定濃度に希釈した薬液をキュウリの葉表のみに散布。散布1日後、葉裏にミナミキイロアザミウマ成虫を接種して、正常・異常・死亡から苦悶死虫率を算出。
ミナミキイロアザミウマを対象害虫に、浸達性試験を行いました。上グラフ記載の濃度に希釈した薬液を、きゅうりの葉表のみ散布し、翌日、葉裏にミナミキイロアザミウマ成虫を接種、正常・異常・死亡数から苦悶死虫率を算出したものです。薬剤散布したのと逆の面、「葉裏」に虫をつけているので、アザミウマが苦悶・死虫していれば「葉表から葉裏に薬剤が浸達した」ことがわかります。
グレーシア乳剤を処理したきゅうりの葉では実用濃度で葉表→葉裏への浸達性が確認できました。薬剤のかかりにくい葉裏にアザミウマがいても、グレーシア乳剤なら薬剤は浸達、しっかり駆除できることが確認できました。