スポルタック乳剤について
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Q01.スポルタック乳剤はどのような効き方をしますか?
スポルタック乳剤の成分であるプロクロラズはイミダゾール系殺菌剤に属し、糸状菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの生合成を阻害することによっ て抗菌力を示すことが報告されています。
このような殺菌剤は、EBI剤(Ergosterol Biosynthesis Inhibitor)といわれており、胞子発芽に対する阻害効果は弱いが、発芽管の伸長および菌糸の生育を強く阻害します。
Q02.スポルタック乳剤は種もみ内部への浸透性はありますか?
スポルタック乳剤は、種もみの内部への浸透性にすぐれるため、安定した効果が期待できます。
Q03.スポルタック乳剤はどのような病害に効きますか?
スポルタック乳剤は糸状菌の不完全菌類であるばか苗菌、ごま葉枯病菌、いもち病菌に対して優れた抗菌力を示します。
Q04.スポルタック乳剤はベンズイミダゾール系薬剤耐性のばか苗病に効果がありますか?
スポルタック乳剤は、ベンズイミダゾール系の殺菌剤と作用機作が異なっており、ベンズイミダゾール系薬耐菌のばか苗病に対しても、高い消毒効果を発揮します。
Q05.浸漬時の薬液温度が低い場合への影響はどうですか?
スポルタック乳剤は種もみへの吸着(浸透)に優れるため、低水温でも安定した効果が確認されています。ただし、極端な低水温(5℃以下)での浸漬はさけてください。
Q06.スポルタック乳剤の種もみ消毒法には、どのような方法がありますか?
スポルタック乳剤の種もみ消毒には4つの方法があります。
Q07.スポルタック乳剤で種もみ消毒する時の、必要な薬量はどのくらいですか?
1)浸漬処理
乾燥種もみ重量の約2倍の容量の希釈薬液が必要となります。3kgの乾燥種もみの場合では希釈薬液は6L必要となりますので、
1000倍24時間処理では 6L÷1000(倍)=6ml
100倍10分間処理では 6L÷100(倍)=60ml
の薬量となります。
2)塗抹処理(吹付け処理)
乾燥種もみ重量の3%の容量の希釈薬液が必要となります。
3kgの乾燥種もみの場合では、希釈薬液は90ml必要となります。
吹付け処理、塗抹処理とも 40倍で使用しますので、
90ml÷40(倍)=2.25ml
の薬量となります。
Q08.浸漬処理後の風乾作業は必要ですか?
スポルタック乳剤種籾への吸着に優れているので風乾作業は必要なく、浸漬に薬液を切ったら直ちに浸種に移れます。
Q09.浸漬中の攪拌は必要ですか?
スポルタック乳剤は水和剤のように沈澱することがないので消毒中の攪拌の必要はありません。
Q10.スポルタック乳剤による塗抹処理について教えてください。
スポルタック乳剤の40倍希釈液を乾燥種籾重量の3%(乾燥種籾が1kgの場合は30ml)を肥料袋などの空袋やミキサー塗抹してください。
塩水選、水洗ののち、水切りしてから薬液(40倍)を種籾に付着させてください。
Q11.調製した薬液は何日後まで使用できますか?
スポルタック乳剤は薬液調製後、室内の保存では100倍、1000倍とも7日後までは安定で、効果、薬害に問題ないことが確認されています。ただし、太陽光の直射する日向では分解がすすみますので、やむを得ず保存する場合は室内(日陰)で行なってください。
薬液調製当日の使用が基本です。