作業工程に余裕を生み出すレスキュー剤「アレイルSC」。
茎葉処理除草剤なのに、田面・水面に落ちた成分が根からも吸収! 新しい水稲用茎葉処理除草剤「アレイルSC」をご紹介します。
先ずは「茎葉」から、次に「根」から。アレイルは二段構えで吸収。
アレイルSCは水田に残ってしまった雑草を駆除する、水稲用茎葉処理除草剤です。アレイルSCの製品特性は「茎葉処理除草剤なのに、田面や水面に落ちた成分も雑草の根から吸収される」こと。
2種類の有効成分は水稲用一発処理除草剤にも配合されている成分で、水面施用でも効果を発揮するため、アレイルは「有効成分が雑草の茎葉からも根からも吸収」されます。
有効成分が茎葉からだけでなく、根からも吸収されます!
■ノビエに対する効果
[注意!]
雑草の茎葉にしっかりかかるよう散布してください。
生長点が地上部にあるクサネムのような広葉雑草に対しては、水面散布では効果が劣ることがあります。そのため散布の際は、しっかりと茎葉部にかかるように処理することが大切です。
上の試験はノビエを用いて、茎葉散布と水面散布での効果比較を行っています、どちらの処理方法でも高い除草効果を示しました。この結果は「有効成分が雑草の根からも吸収されていること」を示しています。アレイルSCは雑草の茎葉と根の両方から作用するため、これまで以上に安定した雑草防除が期待できます。
「成分が根からも吸収されること」がもたらすメリットは?
この製品特性により、アレイルSCをレスキュー剤として使用する際、以下のメリットがあります。
- 耐雨性が高い
- 湛水のままでも散布可能
- 大きくなった雑草もしっかり枯らす
どれも忙しい生産者のスケジュールに余裕を生み出すことに貢献します。
ひとつずつ説明していきます。
散布1時間後に雨が降っても大丈夫! 優れた除草効果は簡単には流されません。
アレイルSCは、茎葉にまいた成分が雨によって田面や水面に流れ落ちても、雑草の根から吸収されしっかり作用します。だから散布1時間後に雨が降っても、優れた除草力を発揮します。
もう天気予報を気にして作業工程を変える必要はありません。
散布1時間後に雨が降っても優れた除草力を発揮することが確認されています。
◎クログワイに対する効果
- クログワイ 草丈50㎝
- 落水処理
- 薬量:500㎖/10a
- 希釈水量:100ℓ/10a
- 処理1時間後に10㎜降雨
◎クサネムに対する効果
- クサネム 草丈30〜40㎝
- 落水処理
- 薬量:500㎖/10a
- 希釈水量:100ℓ/10a
- 処理1時間後に10㎜降雨
◎アメリカセンダングサに対する効果
- アメリカセンダングサ 草丈50㎝
- 落水処理
- 薬量:500㎖/10a
- 希釈水量:100ℓ/10a
- 処理1時間後に10㎜降雨
上の試験ではクログワイ、クサネム、アメリカセンダングサの3草種を用いて、アレイルSC処理後1時間に雨を降らせた場合と、降らせなかった場合の効果を比較したものです。どの草種でも降雨の有り/無しによる効果差はありませんでした。この結果は「アレイルSCを散布した1時間後に雨が降っても除草効果は落ちない」ことを示しています。
湛水状態のまま散布できる! 落水のタイミングまで待つ必要もありません。
アレイルSCの成分は、水面に落ちても雑草の根から吸収されます。だから、湛水のまま散布してもしっかり作用します。落水のタイミングまで除草剤散布を待つ必要がなくなるため、忙しい生産者の作業工程に余裕を生み出します。
湛水のままでも安定した除草効果を発揮します。
■ノビエ・ホタルイに対する効果
- ノビエ 5葉期、SU抵抗性ホタルイ 花茎9㎝
- 処理方法:落水処理(処理7日後入水)、湛水処理(処理時:4~7㎝)
- 調査日:処理52日後(0=影響なし~100=完全枯殺)
■コナギに対する効果
- コナギ 5葉期
- 処理方法:落水処理(処理3日後入水)、湛水処理(処理時:6~8㎝)
- 調査日:処理30日後(0=影響なし~100=完全枯殺)
■クログワイに対する効果
- クログワイ 草丈40~60㎝
- 処理方法:落水処理(処理3日後入水)、湛水処理(処理時:7~8㎝)
- 調査日:処理34日後(0=影響なし~100=完全枯殺)
■コウキヤガラに対する効果
- コウキヤガラ 草丈20~55㎝
- 処理方法:落水処理(処理3日後入水)、湛水処理(処理時:5~7㎝)
- 調査日:処理40日後(0=影響なし~100=完全枯殺)
ノビエ、ホタルイ、コナギ、クログワイ、コウキヤガラ、5つの草種・4カ所で、「落水処理」時と「湛水処理」時におけるアレイルの効果比較を行いました。いずれの草種でも落水処理/湛水処理との間で、大きな効果差はありませんでした。この試験結果は「アレイルSCは落水処理はもちろん、湛水のままで散布しても安定した除草効果が期待できる」ことを示しています。
大きくなった雑草もしっかり枯らす。
アレイルSCは雑草の茎葉にかかった成分だけでなく、田面・水面に落ちた成分も有効に働くので、除草効果がより安定しています。さらに2種類の有効成分「アルテア」「ハロスルフロンメチル」は、問題雑草に対する効き目で評判の成分。だからアレイルSCは、大きくなってしまった雑草でも枯らす優れた除草力があるのです。これにより、除草剤の散布タイミングが遅れてしまってもまだ間に合うのです。
大きくなった雑草でも枯らすことができます。
■クログワイに対する効果
- クログワイ生育期
- 落水茎葉処理
- 薬量:500㎖/10a
- 希釈水量:100ℓ/10a
- 調査日:処理77日後
■コウキヤガラに対する効果
- コウキヤガラ生育期
- 落水茎葉処理
- 薬量:500㎖/10a
- 希釈水量:100ℓ/10a
- 調査日:処理36日後
■クサネムに対する効果
- クサネム 草丈18~27㎝
- 落水茎葉処理
- 薬量:500㎖/10a
- 希釈水量:100ℓ/10a
- 調査日:処理41日後
■ホソバヒメミソハギに対する効果
- ホソバヒメミソハギ 草丈20~30㎝
- 落水茎葉処理
- 薬量:500㎖/10a
- 希釈水量:100ℓ/10a
- 調査日:処理34日後
■ヒレタゴボウに対する効果
- ヒレタゴボウ 草丈35~40㎝
- 落水茎葉処理
- 薬量:500㎖/10a
- 希釈水量:100ℓ/10a
- 調査日:処理30日後
■ノビエに対する効果
- ノビエ 5葉期
- 落水茎葉処理
- 薬量:500㎖/10a
- 希釈水量:100ℓ/10a
- 調査日:処理27日後
上の試験は、生育期のクログワイ・コウキヤガラ、草丈18~27㎝のクサネム、草丈20~30㎝のホソバヒメミソハギ、草丈35~40㎝のヒレタゴボウ、5葉期のノビエに対して、アレイルSCを薬量500ml/10a、希釈水量100L/10a にて散布し除草効果を確認したものです。
大きくなってしまったこれら雑草でも、アレイルSCならしっかり枯らせることを確認しました。
アレイルSCが枯らすことのできる雑草の大きさは草種によって異なります。
主要草種毎の散布適期は下の表の通りです。
■主要雑草の散布適期
雑草名 | 科 | 散布適期 |
ノビエ | イネ | 5葉期まで#1 |
コウキヤガラ | カヤツリグサ | 草丈50㎝まで |
クログワイ | 草丈50㎝まで | |
シズイ | 草丈50㎝まで | |
ミズガヤツリ | 草丈25㎝まで | |
ホタルイ* | 花茎10㎝まで | |
タマガヤツリ | 草丈30㎝まで | |
オモダカ* | オモダカ | 矢尻葉3葉期まで |
クサネム | マメ | 草丈50㎝まで |
ホソバヒメミソハギ | ミソハギ | 草丈40㎝まで |
ヒメミソハギ | 草丈40㎝まで | |
タウコギ | キク | 草丈60㎝まで |
アメリカセンダングサ | 草丈60㎝まで | |
タカサブロウ | 草丈40㎝まで | |
チョウジタデ | アカバナ | 草丈40㎝まで |
ヒレタゴボウ | 草丈40㎝まで#2 | |
ナガボノウルシ | ナガボノウルシ | 草丈50㎝まで |
コナギ* | ミズアオイ | 舟形葉3葉期まで |
ミズアオイ* | 心臓形葉3葉期まで | |
セリ | セリ | 草高20㎝まで(ほふく茎50㎝まで) |
アレイルSCは雑草をじっくり、しっかり枯らします。
アレイルSCは一年生広葉雑草に対しては効果発現が早く、多年生カヤツリグサ科雑草に対してはやや遅効的ですが、最後はしっかりと枯らします。
■殺草経過 日産化学(株)生物科学研究所温室内試験
ノビエ、クログワイ、コウキヤガラ、イヌホタルイ(従来型ALS阻害剤抵抗性)、クサネム、アメリカセンダングサの6草種に対するアレイルSCの殺草スピードを確認する試験を実施しました。
クサネム、アメリカセンダングサといった一年生広葉雑草には効果発現が早く、散布3日後には黄化し生育を止め、更に14日後には枯死に至りました。これに対してクログワイ、コウキヤガラ、ホタルイといったカヤツリグサ科雑草は散布3日後には生育を止めたものの、黄化したのは14日後、枯死は28日後と、相対的に遅効的でした。ですが最終的にはこれらカヤツリグサ科雑草もしっかり枯らせることを確認しています。
アレイルSCのご使用にあたって
アレイルSCを効果的に・安全に使用いただくため、使用時期と散布器具の洗浄方法は以下を守ってください。
■使用時期と使用上の注意点
使用時期は、移植後25日~出穂始期15日前(収穫45日前)です。
◎アレイルSCを効果的に使用するために、以下の点に注意してください。
- 出穂始期の15日前を過ぎてからの使用は、出穂や収量に影響を及ぼすおそれがあるので使用をさけてください。
- 薬害のおそれがあるので展着剤の加用や重複散布はさけてください。
- 周辺作物、特にあぶらな科作物(だいこん、はくさい、こまつな)は薬害を生じるおそれがあるので、飛散しないように十分注意して散布してください。なお、必要に応じて飛散防止ノズルを使用して散布してください。
- 使用後は、散布器、タンク、ホース、ノズル内に薬液が残らないよう十分に洗浄し、使用した器具を他の用途に使用する場合は、薬害の原因にならないよう注意してください。 洗浄水は河川等に流さないようにしてください。
■散布器具の洗浄方法
タンクに薬液が残らないよう使いきることを基本にしてください。
◎あぶらな科作物、なす、ほうれんそうに、アレイルSCを散布した器具を使用しないでください。
〈洗浄手順〉
- 残った薬液は完全に排出してください。※1
- ドレインを開けた状態でタンクの内部を100ℓの流水でていねいに洗い流してください。
- タンクに水500ℓを貯め、家庭用洗剤※2を加えて5分間循環後、散布ホースから100ℓを排出し、残液をドレインから排出してください。
- ドレインを開けた状態で、タンクの内部を泡が切れるまで100ℓの流水でていねいに洗い流してください。
- タンクに水300ℓを貯め、散布ホースから100ℓを排出し残液をドレインから排出してください。