定植後の病害虫の被害から作物を守るために、 定植前の「灌注処理」をおすすめします。
簡便な処理方法でありながら、定植後も効果が持続する
薬剤処理法。その秘密に迫ります。
省力的な薬剤処理法 ― 「灌注処理」
みなさんは、「灌注処理」という薬剤処理法をご存じだろうか? 灌注処理とは、作物を定植する前、つまりセル苗やペーパーポットでの育苗期の後半に、所定の倍数に希釈した薬液を、ジョウロ等で通常の灌水と同様の方法で処理する散布方法のことである。これにより、定植後に長期にわたって安定した防除効果をもたらす。つまり、効果が持続している期間は、圃場での散布作業を省くことが可能となるという訳だ。そんな灌注処理で薬剤を処理できる殺虫剤「プレバソンフロアブル5(以下、プレバソン)」と、土壌用殺菌剤「オラクル顆粒水和剤(以下、オラクル)」を紹介する。
【プレバソン】 ― 約4週間、殺虫効果が持続
プレバソンは、各種チョウ目害虫とハモグリバエ類を防除対象に、キャベツ・はくさい・ブロッコリー・レタス等の葉菜類、トマト・きゅうり等の果菜類に登録されている。灌注処理後、根から吸収された有効成分は導管を通って地上部の新葉に次々と吸収移行。これにより、約4週間という長期間にわたって殺虫効果が持続する。下のグラフからも、プレバソンは定植後33日でも、灌注処理でチョウ目害虫をしっかり防除できていることが見てとれる。そしてこのデータは同時に、効果持続期間中の薬剤散布を省略できるということも意味している。
【オラクル】 ― 根こぶ病の病原菌を直接たたく
一方、オラクルは、重要土壌病害とされる「根こぶ病」の防除を対象として、キャベツ・はくさい・ブロッコリーで登録。効果のメカニズムとして顕著な点は、従来の根こぶ病殺菌剤とは違い、感染の元になる休眠胞子を眠らせたままにせず「病原菌を直接たたく」という特長にある。これにより、根こぶ病の感染をしっかり予防しつつ、土壌中の病原菌を低減、畑の土がきれいになることが期待できる。下のはくさい及びブロッコリーの試験からも、オラクルは、500ml/セル苗の灌注処理で根こぶ病の発生を抑えていることが証明されている。
省力的に、低コストで、2剤を灌注処理
以上のことから灌注処理は、「安定した効果」と「省力性」を両立した薬剤処理法だと言える。圃場を歩き回って散布する必要もなく、簡便で効率的に薬剤を処理することができ、結果的に、コストや労力の軽減と優れた効果をもたらす。プレバソンとオラクルはともに、500ml/セル苗の灌注処理での登録がなされているため、両剤を同時に処理することが可能だ。是非ともこの灌注処理でプレバソンとオラクルを使っていただき、あなたの栽培に大いに役立ててもらいたい。
【日産化学のおススメ根こぶ病防除剤「オラクル」顆粒水和剤】
根こぶ病は、アブラナ科作物に甚大な被害を及ぼす恐ろしい病害です。
根こぶ病を防除するには1)土壌の酸性改良、2)水はけをよくする、3)薬剤での防除、この3つを組み合わせた総合的な防除対策が重要になります。
日産化学の「オラクル」は根こぶ病に対して効果の高い農薬(殺菌剤)です。オラクルの特長は、根こぶ病の休眠胞子を眠らせたままにせず、放出された遊走子を直接「殺菌」すること。だから土壌中の菌密度を低減、畑の土をきれいにすることが期待できます。
オラクル顆粒水和剤は、定植前の「灌注」で簡便に薬剤処理ができます。オラクル顆粒水和剤は他に「全面散布後土壌混和」も可能。あなたの畑の発病状況により使用方法を使い分けいただけます。